I love you に代わる言葉


 目が覚めてケータイで時間を確認すれば、寝起きのだるさなど一瞬で吹き飛ぶ程、ボクはギョッとした。すぐに飛び起きる。もう昼を疾うに過ぎていて、時刻は十四時になろうとしていたからだ。昨日は想像以上に疲れていたらしい。県外へ出たのだから当然と言えば当然だけど、一日の半分以上も寝てしまうなんて。
 当然シンの姿は部屋になく、布団も部屋の隅に畳まれていた。花恋さんが仕事に出たのも知らないし、シンが起きて部屋を出たのも知らない。物音には敏感な方だけど、眠りはかなり深かったみたいだ。
 ボクはすぐにベッドから降りると、リビングに向かった。
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