I love you に代わる言葉


 ある程度身なりを整えリビングに戻ると、それから更に今井は煩くなった。というか、質問攻めに遭った。
 お前何処で告ったんだよ? 何て言って告ったんだ?
 まずその二つをしつこく聞かれ、ボクは無視していたけどそれでも今井は、いいじゃねーか教えろよ、と言ってボクの身体をゆさゆさ揺すった。尚も無視を続けたが、あまりのしつこさにうんざりしたボクは、最終的に、ウルサイんだよアンタ、そう言って軽く突き飛ばした。それでも今井はにへらと笑って、照れんなよ~と言ってちょっかいをかけてきた。この時のボクに、一体幾つの怒りマークがついていただろうか。シンはボク等の様子を見てくくっと笑いを零しながら、今井その辺でやめとけ日生がそろそろキレるぜ、そう言って(一応)止めに入る。絶対面白がっているだけのシンにもムカついて軽く睨むが、何故かそれすらもシンは笑った。
 十六時頃になって、ボクはスッと立ち上がる。
「どこ行くんだよ?」
 今井は尋ねてくるが、アンタに関係ないだろと言って軽く睨んだ。すると今井は、やべっ日生が怒ってる、と小声で言ったが、その顔はちっとも怯えてはいない。寧ろどこか楽しそうで余計に腹が立った。
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