I love you に代わる言葉
視線を逸らして何と返すべきか思考を巡らせていると、オバサンは突然ボクの背中をバシッと叩いてきた。
「しかし可愛い顔してあんたも男だったんだねぇ! しっかりと花恋ちゃんを守るんだよ!」
という言葉を添えて。
何て厚かましくて失礼なオバサンなんだ……と心内で悪態をつく。
ボク等のやり取りを傍で見ている花恋さんは、恥ずかしそうにしていたけど、いつものようにクスクスと笑っていた。
花恋さんが仕事を終えるまでまだ数分とあったから、ボクは以前花恋さんが一目惚れしたという石を見せて貰っていた。その石の名を絶対に覚えておこうと思ったのに、ボクは忘れてしまっていた。名前にラ行が入るような入らないような……というとても曖昧な記憶だけ残っていた。何だっけ? と忘れた事を正直に打ち明け尋ねてみれば、ラリマーですよ、と花恋さんはにっこりと笑って教えてくれた。
ラリマーという石は、レジカウンターに一番近いガラスケースに入れられており、それだけで相当高価である事が、石を見る前から窺えた。ケースから出してそれを見せて貰ったが、一目惚れするのがボクにも解るくらいに、それは綺麗だと言えた。ペンダントとして売られており、楕円形で直径は三センチと少し大きめの石だった。因みに値段は二万五千円だった。確かにこれはなかなか手が出ない……だけどいつか、贈ってはあげたい、そう思った。
「しかし可愛い顔してあんたも男だったんだねぇ! しっかりと花恋ちゃんを守るんだよ!」
という言葉を添えて。
何て厚かましくて失礼なオバサンなんだ……と心内で悪態をつく。
ボク等のやり取りを傍で見ている花恋さんは、恥ずかしそうにしていたけど、いつものようにクスクスと笑っていた。
花恋さんが仕事を終えるまでまだ数分とあったから、ボクは以前花恋さんが一目惚れしたという石を見せて貰っていた。その石の名を絶対に覚えておこうと思ったのに、ボクは忘れてしまっていた。名前にラ行が入るような入らないような……というとても曖昧な記憶だけ残っていた。何だっけ? と忘れた事を正直に打ち明け尋ねてみれば、ラリマーですよ、と花恋さんはにっこりと笑って教えてくれた。
ラリマーという石は、レジカウンターに一番近いガラスケースに入れられており、それだけで相当高価である事が、石を見る前から窺えた。ケースから出してそれを見せて貰ったが、一目惚れするのがボクにも解るくらいに、それは綺麗だと言えた。ペンダントとして売られており、楕円形で直径は三センチと少し大きめの石だった。因みに値段は二万五千円だった。確かにこれはなかなか手が出ない……だけどいつか、贈ってはあげたい、そう思った。