I love you に代わる言葉
「――意味が解らないんだけど」
取り敢えず会話にすらならないからハッキリ告げてみた。そうすればこいつはやはり何処かスッキリした顔付きで「はは、まぁそうだろうな」なんて言って笑っている。あのさ、笑う所じゃないんだけど。アンタは言いたい事言ってスッキリしてるかも知れないけどさ、ボクはさっぱりなんだよね。
「人間らしくなったってさ、何? アンタはボクが人間じゃないとでも思ってたわけ?」
言われた事に苛立っていた訳じゃなかった。だけどボクの強い口調に今井は馬鹿みたいに焦っていた。
「ち、ちげーよ……。そういう意味じゃねぇ」
何処かしどろもどろでありながらも、今井は強く否定した。言葉にはまだ続きがありそうなので無言で促すが、今井は押し黙って頬をポリポリと掻いている。そういう意味でもそういう意味じゃなくてもどっちでもいいからさ、取り敢えず早く言いなよ。言うのを躊躇うくらいなら隠しておけば良かっただろ。
背凭れに身体を預け、再度足を組み、今度は腕も組んだ。
「――結局アンタ何が言いたいのさ」
溜息混じりに呟いた。
今井から視線を外し、背後にある窓から視線を外へと移す。何気無く向けた視線の先には、普通教室が並ぶもう一つの校舎と、手入れの行き届いた中庭と、陽炎と、雲一つない青空、そんな変哲の無い、『平和』と片付けられてしまう様な光景が広がるだけだった。
「……お前変わったなって……言いたかっただけだよ」
ボソッと呟かれた声に視線はまた今井を捉え、思いもよらぬ言葉に予想外にも瞠目させられた。
今井は身動きして、今度はソファーに浅く腰掛け両腿に両肘をついた。視線は正面を向いている。そして意を決したのか真剣な面持ちで話し出した。
取り敢えず会話にすらならないからハッキリ告げてみた。そうすればこいつはやはり何処かスッキリした顔付きで「はは、まぁそうだろうな」なんて言って笑っている。あのさ、笑う所じゃないんだけど。アンタは言いたい事言ってスッキリしてるかも知れないけどさ、ボクはさっぱりなんだよね。
「人間らしくなったってさ、何? アンタはボクが人間じゃないとでも思ってたわけ?」
言われた事に苛立っていた訳じゃなかった。だけどボクの強い口調に今井は馬鹿みたいに焦っていた。
「ち、ちげーよ……。そういう意味じゃねぇ」
何処かしどろもどろでありながらも、今井は強く否定した。言葉にはまだ続きがありそうなので無言で促すが、今井は押し黙って頬をポリポリと掻いている。そういう意味でもそういう意味じゃなくてもどっちでもいいからさ、取り敢えず早く言いなよ。言うのを躊躇うくらいなら隠しておけば良かっただろ。
背凭れに身体を預け、再度足を組み、今度は腕も組んだ。
「――結局アンタ何が言いたいのさ」
溜息混じりに呟いた。
今井から視線を外し、背後にある窓から視線を外へと移す。何気無く向けた視線の先には、普通教室が並ぶもう一つの校舎と、手入れの行き届いた中庭と、陽炎と、雲一つない青空、そんな変哲の無い、『平和』と片付けられてしまう様な光景が広がるだけだった。
「……お前変わったなって……言いたかっただけだよ」
ボソッと呟かれた声に視線はまた今井を捉え、思いもよらぬ言葉に予想外にも瞠目させられた。
今井は身動きして、今度はソファーに浅く腰掛け両腿に両肘をついた。視線は正面を向いている。そして意を決したのか真剣な面持ちで話し出した。