I love you に代わる言葉
「怪我、してるんですか?」
心配そうに尋ねてくる。
「別に大した怪我じゃないよ。取り敢えず拭くものだけ貰える?」
ボクがそう言うと、女はすぐさまカウンターへ向かった。
何やらゴソゴソと棚を漁った後、ボクの元へと心配そうな表情で戻ってくる。その手にはポケットティッシュとウェットティッシュと絆創膏が握られていた。それらを受け取ろうと左手を上げかけたけど。すぐにそれは下ろされた。
女はボクの右手を取る。
ティッシュとウェットティッシュを一枚ずつ出してそれらを重ね合わせ、丁度良く湿ったそれで血を拭き取る。流れ出ている血も乾いた血も綺麗に拭い去られていく。
その様子に驚いて女を見ていたが、ハッと我に返った。絆創膏を貼ろうとする女を制止する。
「……自分でやるよ」
「でも、左手では貼りにくいと思いますから」
「そんなに不器用じゃないよ」
そう言って女から絆創膏を奪った。女は呆気に取られていたが、ボクの絆創膏を貼る姿を見てふふっと笑った。
「……何」
別段不愉快に感じなかったが、眉根を寄せて軽く睨む。そんなボクに女は動じる事はなく、
「いいえ」
そう言って微笑んだ。
心配そうに尋ねてくる。
「別に大した怪我じゃないよ。取り敢えず拭くものだけ貰える?」
ボクがそう言うと、女はすぐさまカウンターへ向かった。
何やらゴソゴソと棚を漁った後、ボクの元へと心配そうな表情で戻ってくる。その手にはポケットティッシュとウェットティッシュと絆創膏が握られていた。それらを受け取ろうと左手を上げかけたけど。すぐにそれは下ろされた。
女はボクの右手を取る。
ティッシュとウェットティッシュを一枚ずつ出してそれらを重ね合わせ、丁度良く湿ったそれで血を拭き取る。流れ出ている血も乾いた血も綺麗に拭い去られていく。
その様子に驚いて女を見ていたが、ハッと我に返った。絆創膏を貼ろうとする女を制止する。
「……自分でやるよ」
「でも、左手では貼りにくいと思いますから」
「そんなに不器用じゃないよ」
そう言って女から絆創膏を奪った。女は呆気に取られていたが、ボクの絆創膏を貼る姿を見てふふっと笑った。
「……何」
別段不愉快に感じなかったが、眉根を寄せて軽く睨む。そんなボクに女は動じる事はなく、
「いいえ」
そう言って微笑んだ。