愛してもいいですか
「っていつの間にそんなの撮ったのよ!盗撮!変態!」
「この前昼休みに架代さんが寝てた時に。いやぁ、可愛かったのでつい」
「消して!消しなさい!!」
「えー?どうしましょうかねぇ」
座敷に座ったまま繰り広げられる、携帯を奪おうとする私とそれをかわす日向の攻防戦。
そのやりとりも、日向が携帯を私とは反対側のズボンのポケットにしまってしまったことから、日向の勝ちで終わってしまう。
「あははは!二人は仲が良いな!どうだ日向くん、うちに婿に来ないか!」
「ちょっと!勝手なこと言わないで!」
「だがお前はまだ結婚相手も見つからないんだろう?お父さんもさすがにそろそろ孫を見たいぞ」
「うっ……」
痛いところを突くお父さんに、私は鮪の刺身を口に含んで黙り込む。けれど日向はウーロン茶を飲みながらすかさず会話に入る。
「無理ですよねぇ、架代さん家事出来ないですし。ね、神永さんもそう思いますよね」
「……私は、何とも」
変なところで話題を振られた神永は、なんとも気まずそうだ。
「なんだお前、まだ家事もまともに出来んのか!なんのために一人暮らしさせていると……」
「で、ですが架代社長も料理のひとつくらいなら出来ますよね?普段はしないだけで」
「あはは、無理無理!架代さん目玉焼きすらも失敗するらしいし!」
「えぇ!?」
「っ〜……うるさーーーい!!!!」