愛してもいいですか
きっと、ううん、絶対。彼はいい人。私のことを見てくれて、想いを伝えてくれる。
これまで私が出会った男性たちのなかで、こんなにもまっすぐに私を一人の女として見てくれる人は彼が初めてだと思う。
そんな人から結婚を前提に付き合い、なんて嬉しいこと。幸せなこと。……なのに。
『家庭を優先して仕事も辞めてほしい』
その一言が心に引っかかって、素直には喜べなくさせる。
結婚か仕事か、どちらかしか選んじゃダメ?
確かに、家事すらもままならない私に両立できる自身もない。だけど、『女』として私を想ってくれる彼にとっては、『社長』のままの私ではダメってこと?
彼とならようやく、望んでいた幸せが得られる。自分自身を想ってくれる人と、結婚したいという願い。
でも、それは私にとって本当に幸せなのかな。ずっとやってきたことを辞めて、結婚するということを選ぶことが、本当に後悔のないことなのかな。
『少なくとも、理解のない人ではきっと無理ですよ』
頭の中に思い出すのは、いつかの日向の言葉。