愛してもいいですか



掃除や洗濯などこれまで自分がやってこようともしなかったこと。それらを一つ一つ、日向に教わりながらやっていく。

不慣れで、わからないことばかり。日向もさすがに心底呆れるかもしれない。

けどね、少し、ほんの少しだけ。誰かと一緒にやると楽しいなって、感じた。



一人では途方もなく、やり方もわからないことも、誰かとならあっという間で。教えてくれる、手助けしてくれる。楽しい。





「ふー……」



それから数時間後の、午後十五時半頃。ピカピカに輝く床に、物一つないテーブルの上。掃除の甲斐ありすっかり綺麗に片付いたリビングの白いソファで、私はぐったりともたれかかる。

すごい、こんな綺麗な部屋見るの久しぶり……。



額にうっすらとかく汗を手で拭うと、窓から入るひんやりとした風。

その心地よさに窓の外を見ると、いい天気の中、テラスでは白いシャツやタオルなど、先程干した洗濯物たちが揺れている。



「お疲れさまでした、勝手にキッチン借りてお茶いれさせてもらいました」

「いいわよ。ありがと」



いつの間にか食器まで全て綺麗にしてくれていたらしい日向は、熱いお茶を入れたマグカップを二つテーブルに置くと、私の隣へ座った。


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