愛してもいいですか
突然の俺の行動にその顔は驚き、みるみるうちに照れ、頬から耳まで赤く染める。
「なっ……なにするのよいきなり!!!」
「いやぁ、架代さんが可愛かったもので。つい」
「なっ〜……」
躊躇いなく笑顔で言った俺に、架代さんは俺の手から本を奪うとその本でバシッ!バシッ!と俺の顔を叩く。
「またあんたはそういう軽いこと言って、軽々しくキスしてっ……この最低男!チャラ男!!」
「いてっ!いたいです!落ち着いてくださいよ!」
「彼女いるくせにっ……そういうところが本当に嫌い!!」
「だから誤解ですってば!」
叩く手を止めるべく、パシッと掴んだその細い腕。俺の言葉に架代さんはキョトンと首を傾げる。
「誤解……?」
「誤解です、誤解。昨日一緒にいた人はただ飲み会で一緒だっただけで……酔っ払ってたから世話してただけなんです」
「へ……?」
やはりしっかりと誤解していたのだろう。説明を聞いても、信じ難いといったように大きな目をくりくりとさせる。
「そう、なの……?」
「はい。俺、彼女いませんから」
その言葉にどこかホッとしたような顔を見せた架代さんに、そっと腕から手を離すと頭をポンポンと撫でた。