愛してもいいですか
「いーえ、嬉しいですよ」
「え?」
「噂を聞いてでも、俺自身に興味持ってくれたってことでしょう?」
その笑顔に、気付く。言われてみればそう。日向のことを知りたいと思うのは、日向に興味があるから。日向のことだから、知りたいと思うから。
けどそれに素直に頷くことはやはり出来ず、言葉を詰まらせると、日向はますます嬉しそうに笑みを見せる。
「なら、見ちゃいます?」
「え?」
「会社では見られない、夜の俺の顔」
ついてきてください、と歩き出す日向に知りたい気持ちは抑えきれず、今度は堂々とヒールの音を立ててその後ろを歩いた。