素敵な勘違い 〜負け組同士のラブバトル〜
えっ?

もしかして私、誘われた? イケメンの上司から、食事に?

なーんてね。そんなわけないか。

つまりはこういう事よね?
新任の係長さんが、部下との親睦のためにみんなを食事に誘っている、と……

曽根崎さんが周囲を気にしたのは、他の係の人に聞かれたら困るからだわ。


そうよ。そうに決まってる。私ったら、危うく勘違いするところだったわ……


今夜もこれと言った予定はないし、上司の誘いを断る特別な理由もなく、


「はい、分かりました」


と私はお答えした。ところが……


「ん。誰にも言うなよ?」


と曽根崎さんは私の耳元で言い、私の肩をボンと叩いて行ってしまった。


……うそ!?

やっぱり勘違いじゃなかったの?
なんで? 信じられなーい!


私はただただ驚いた。嬉しいとか、そういう事を思う以前に……

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