素敵な勘違い 〜負け組同士のラブバトル〜
待ち合わせの喫茶店に着くと、既に曽根崎さんは来ていて、テーブル席に座っていた。私が着替えている間に会社を出たのだろう。
「お待たせしてすみません……」
と私が言うと、
「いや、僕も今来たところさ」
と定番の返し。それはそうだろう。私はほんの数分で着替えたのだから。
なんて、可愛くない事を思ったのは、たぶん曽根崎さんの言い方や仕草が癇に障ったからだと思う。何ていうか……キザ?
次にウェイトレスさんにアイスコーヒーをオーダーしたのだけど、その仕草もなんか偉そうで鼻持ちならなかった。
私、この人ダメだわ……
でも、顔はやっぱりイケメンなのよね。阿部和馬とタイプは似てるのだけど、どこがどう違うのかしら……
まずは目?
この人の目は二重で、男の人にしては大きい方だと思う。阿部和馬の目って、開いてるのか閉じてるのか分からないほど細いもんなあ。
でも、阿部和馬の目の方が澄んでいて、私はそっちの方が好きかも……
「僕の顔に何かついてるのかな?」
「へ? あ、いえいえ、そんな事は……すみません」
しまった。私ったら、曽根崎さんの顔に見入ってしまったんだわ。恥ずかしい……
「ま、無理もないけどね」
と言って、曽根崎さんは細長い指でグラスを摘まむように持ち、中の水を口に含んだ。その時、小指がピンと立っているのを見て、私は危うく吹き出しそうになってしまった。
“無理もない”とは、自分はイケメンだから、女性が自分に見惚れても無理はない、という意味だと思う。他には考えられないから。
だとしたら、とんだうぬぼれ屋さんだと思う。この人……
「お待たせしてすみません……」
と私が言うと、
「いや、僕も今来たところさ」
と定番の返し。それはそうだろう。私はほんの数分で着替えたのだから。
なんて、可愛くない事を思ったのは、たぶん曽根崎さんの言い方や仕草が癇に障ったからだと思う。何ていうか……キザ?
次にウェイトレスさんにアイスコーヒーをオーダーしたのだけど、その仕草もなんか偉そうで鼻持ちならなかった。
私、この人ダメだわ……
でも、顔はやっぱりイケメンなのよね。阿部和馬とタイプは似てるのだけど、どこがどう違うのかしら……
まずは目?
この人の目は二重で、男の人にしては大きい方だと思う。阿部和馬の目って、開いてるのか閉じてるのか分からないほど細いもんなあ。
でも、阿部和馬の目の方が澄んでいて、私はそっちの方が好きかも……
「僕の顔に何かついてるのかな?」
「へ? あ、いえいえ、そんな事は……すみません」
しまった。私ったら、曽根崎さんの顔に見入ってしまったんだわ。恥ずかしい……
「ま、無理もないけどね」
と言って、曽根崎さんは細長い指でグラスを摘まむように持ち、中の水を口に含んだ。その時、小指がピンと立っているのを見て、私は危うく吹き出しそうになってしまった。
“無理もない”とは、自分はイケメンだから、女性が自分に見惚れても無理はない、という意味だと思う。他には考えられないから。
だとしたら、とんだうぬぼれ屋さんだと思う。この人……