素敵な勘違い 〜負け組同士のラブバトル〜
お料理を食べ終え、私は次第に時刻が気になりだした。そろそろ行かないといけない頃だ。それともう一つ問題がある。それは、どうやって曽根崎さんをあそこに連れて行くか、だ。


「さっきから時計を気にしてるようだけど、何か予定でもあるのかな?」

「い、いいえ、そういう訳ではないのですが、あまり遅くなるのは……」


自分で言っておいてなんだけど、あたかも帰りが遅くなると家族が心配する、みたいな言い方をしてしまった。もちろんそんな事はなく、嘘をついてるようで気が引けるけど、取り敢えず今はここを出る事が先決だ。


「じゃあ行こうか?」

「はい」


という事で私達はレストランを出た。ちなみに食事代は全て曽根崎さんが出してくれた。私も一応はお金を出す“振り”ぐらいはしたけども。


さてと、どうしようかなあ、と思っていたら、


「どこかで休んで行こうか?」


と曽根崎さんは言った。

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