素敵な勘違い 〜負け組同士のラブバトル〜
「曽根崎さん、ちょっとあそこのコンビニに寄らせてください。朝(あした)のパンと牛乳を買いたいので」
駅を出て、阿部和馬が働くコンビニが見えると、私は歩きを速めながら曽根崎さんにそう言った。
「いいよ。僕もガムでも買うかな」
そう返事を返す曽根崎さんを後ろに置いて行く形で私は先を急いだ。たぶんギリギリの時刻だけど、阿部和馬はまだお店にいるかしら……
コンビニの、ガラスの扉に手を掛けながら店内を見たら……いた。阿部和馬はレジにいて、お客さんの応対をしているところだった。
よかったあ、間に合って……
私は買い物カゴを手に提げ、食パンと牛乳、それとヨーグルトが切れているのを思い出し、それらをささっとカゴに入れて阿部和馬が立つレジへと向かった。曽根崎さんは、レジの近くでガムか何かを物色している。
「こんばんは」
と阿部和馬に挨拶すると、普段は涼しい顔で“いらっしゃいませ”と言う彼なのに、今夜はなぜか、
「お帰り。お疲れさま」
と言い、白い歯を見せニコッと笑った。夜も遅い時刻だというのに、まるで朝のような爽やかさで……
駅を出て、阿部和馬が働くコンビニが見えると、私は歩きを速めながら曽根崎さんにそう言った。
「いいよ。僕もガムでも買うかな」
そう返事を返す曽根崎さんを後ろに置いて行く形で私は先を急いだ。たぶんギリギリの時刻だけど、阿部和馬はまだお店にいるかしら……
コンビニの、ガラスの扉に手を掛けながら店内を見たら……いた。阿部和馬はレジにいて、お客さんの応対をしているところだった。
よかったあ、間に合って……
私は買い物カゴを手に提げ、食パンと牛乳、それとヨーグルトが切れているのを思い出し、それらをささっとカゴに入れて阿部和馬が立つレジへと向かった。曽根崎さんは、レジの近くでガムか何かを物色している。
「こんばんは」
と阿部和馬に挨拶すると、普段は涼しい顔で“いらっしゃいませ”と言う彼なのに、今夜はなぜか、
「お帰り。お疲れさま」
と言い、白い歯を見せニコッと笑った。夜も遅い時刻だというのに、まるで朝のような爽やかさで……