素敵な勘違い 〜負け組同士のラブバトル〜
「待って」
私は、そんな阿部和馬の腕を持った。
「ん?」
「驚きはしたけど、そんなに引いてない」
「そうなのか?」
「うん。それより、どうして私に話してくれたのか、その訳が聞きたいの」
そう。阿部和馬と裕子さんの関係は、決して他人に話したいようなものではないと思う。と言うより、むしろ隠したいはずだわ。それなのに、私に話してくれたのはなぜなのか。
彼はさっき、“プロセスを大事にしたい”と言ったと思う。つまり過程を大事にしたいと。それが彼と私のこれからについてだとしたら、私に異存なんかあるわけない。だって私は、いつの間にか阿部和馬の事を……
「お前って、時々鋭いのな?」
「“時々”じゃないと思うけど?」
「そうか? あはは、それは失礼」
阿部和馬は、白い歯を見せ爽やかに笑った。私、彼のこの笑顔がかなり好きかも……
なんて、今は見惚れてる場合じゃないわね。
「早く話して」
と催促したものの、
「え? あ、ああ……」
阿部和馬は素敵な笑顔を引っ込め、代わりに困ったような顔をして頭に手をやった。
私は、そんな阿部和馬の腕を持った。
「ん?」
「驚きはしたけど、そんなに引いてない」
「そうなのか?」
「うん。それより、どうして私に話してくれたのか、その訳が聞きたいの」
そう。阿部和馬と裕子さんの関係は、決して他人に話したいようなものではないと思う。と言うより、むしろ隠したいはずだわ。それなのに、私に話してくれたのはなぜなのか。
彼はさっき、“プロセスを大事にしたい”と言ったと思う。つまり過程を大事にしたいと。それが彼と私のこれからについてだとしたら、私に異存なんかあるわけない。だって私は、いつの間にか阿部和馬の事を……
「お前って、時々鋭いのな?」
「“時々”じゃないと思うけど?」
「そうか? あはは、それは失礼」
阿部和馬は、白い歯を見せ爽やかに笑った。私、彼のこの笑顔がかなり好きかも……
なんて、今は見惚れてる場合じゃないわね。
「早く話して」
と催促したものの、
「え? あ、ああ……」
阿部和馬は素敵な笑顔を引っ込め、代わりに困ったような顔をして頭に手をやった。