素敵な勘違い 〜負け組同士のラブバトル〜
和馬は、キョトンとした私の肩を押し戻し、それでようやく私は彼の顔を見たのだけど、その顔は想像してたような泣き顔ではなく、今まで見たこともないような、満面の笑顔だった。
「まさか……受かったの?」
「“まさか”は酷いなあ」
「奇跡だわ」
「それも酷いなあ。俺は予感してたんだぞ?」
「そうなの?」
「ああ。今回は今までより手応えがあったから」
「和馬……おめでとう!」
今度は私から和馬に抱き着いた。まさか和馬が司法試験に受かるなんて、思ってもみなかった。和馬には本当に失礼なことだけど。
「ありがとな」
「どうしてすぐに言ってくれなかったの?」
「それはさ、あそこでこういう事はしたくなかったんだ。周りに悪いだろ? 特に落ちた人にさ」
ああ、そうか。だから和馬は急いで離れたところまで来て、私にハグしたのね。いかにも和馬らしい、優しい気遣いだなあ。大好き!
「真琴、お前もおめでとう」
「えっ?」
「誕生日」
「憶えててくれてたの?」
「当たり前だろ?」
「ありがとう。おめでたくはないけどね」
「あはは。そう言うなって。それと……」
和馬は私から少し離れ、ズボンのポケットに手を入れて何かを取り出した。
「まさか……受かったの?」
「“まさか”は酷いなあ」
「奇跡だわ」
「それも酷いなあ。俺は予感してたんだぞ?」
「そうなの?」
「ああ。今回は今までより手応えがあったから」
「和馬……おめでとう!」
今度は私から和馬に抱き着いた。まさか和馬が司法試験に受かるなんて、思ってもみなかった。和馬には本当に失礼なことだけど。
「ありがとな」
「どうしてすぐに言ってくれなかったの?」
「それはさ、あそこでこういう事はしたくなかったんだ。周りに悪いだろ? 特に落ちた人にさ」
ああ、そうか。だから和馬は急いで離れたところまで来て、私にハグしたのね。いかにも和馬らしい、優しい気遣いだなあ。大好き!
「真琴、お前もおめでとう」
「えっ?」
「誕生日」
「憶えててくれてたの?」
「当たり前だろ?」
「ありがとう。おめでたくはないけどね」
「あはは。そう言うなって。それと……」
和馬は私から少し離れ、ズボンのポケットに手を入れて何かを取り出した。