夢は大空に
いくら叫んでも、泣いてるせいか声にならない。
「伊田先輩…!助け…」
その時…――
――バキッ――
「こいつに触んじゃねぇよ!!!」
人が殴られる音が聞こえた。
恐る恐る目を開けてみると
伊田先輩が息を切らして立っている。
「伊田…先輩…?」
「おい!大丈夫か!?」
私は先輩に抱きしめられた。
先輩の腕の中は温かくて、
とても安心したのを覚えてる。
「…このバカ!!勝手に出て行くんじゃねぇよ!」