夢は大空に
「あぁ、悪い。」
それだけ言ってスタスタ歩いて行く先輩。
私はそのあとを追うように、先輩の後ろをついて歩く。
「あの…先輩?」
「何?」
よかった。もしかしたら、シカトされるかと思ってた。
「先輩って、誰とも付き合わないんですか?」
私は前から気になってたことを聞いた。
…そう。先輩は、告られても全部断ってるらしい。
「俺は…野球が恋人ってカンジかな~」
「野球って…本物の野球バカじゃん」
笑いながら言う私に先輩は、
「うるせ~ょ!」
と恥ずかしそうに言う。
その恥ずかしそうな顔を見るだけで、
私はドキドキしてしまうんだ。