至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
「見てないだろうな」


「……見てない」


パラパラしたけど、読んではいないし。


「誰にも見られてないだろうな」


「……見られてない」


祐介だって、あの時初めて手帳の存在に気づいたんだろうし、他の人に見られてる可能性はない。


「本当だな」


正面を向き、あたしに目を向けない凌牙は、きっとあたしなんか見たくないんだと思う。


「……うん」


こんな、醜い姿。


あたしって、本当に、厄介な女……。


一瞬だけ温かくなった心は、また冷たい氷で覆われる。
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