至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
「いらない」


そんな優しさなんて、いらない。


すぐに消えてしまう優しさなんて、かけられただけ後がつらいから。


唇をグッと噛みしめ、去ろうとすると。


「……やってけ」


相変わらず正面は向いたままだけど、さっきまでの威圧感は全くなく。


ボソッと呟いた凌牙が、窓際へ腰をずらした。


………。


その規模は想像もつかないけど、暴走族のトップだという凌牙。



「…………ん…」


やっぱりこの人には逆らえない何かがあって、それでこそ、組織のトップに立つ人間なんだろうと理解する。


旬に手を引かれるまま、車の座面に腰を下ろした。
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