至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
「……」
あたしはなんて答えればいい?
……戻りたいわけがない。
それでも。
あんな地獄みたいな場所でも、あそこを失ったら、あたしは行く場所がない。
「オマエの居場所はあるのか?」
「………」
あたしの、居場所。
そんなものない。
双葉園だけじゃなくて、学校にも。
答えに詰まるあたしに。
凌牙がゆっくり首を振る。
「俺がオマエの居場所を作ってやるよ」
落ち着いた、初めて聞く優しい声……。
少しだけ細めた目は、夕方見たものと同じ、憂いを帯びていた。