至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
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車から覗く埠頭は、さっきとはまた顔を変えていた。
地割れするような爆音が一帯を支配し、その音はこれから始まるショーの序章のようにも感じた。
同じ方向を向いたバイクや車たちが、出発を今か今かと待っている。
「そのうざい貧乏ゆすりやめろよ」
隣に座った和希が、落ち着かないあたしに苛立ちを募らせた。
「これ貧乏ゆすりじゃなくて震えてるの」
「は?もっと駄目だろ」
馬鹿にしたような口調に多少イラッときたけど、反論する余裕もないから無視しておいた。
今日の今日まで暴走族と無縁の世界にいた一般人のあたしが、この群衆を見て怯えないわけがない。
お世辞にもカッコイイなんて思う余裕はなかった。
地割れするような爆音が一帯を支配し、その音はこれから始まるショーの序章のようにも感じた。
同じ方向を向いたバイクや車たちが、出発を今か今かと待っている。
「そのうざい貧乏ゆすりやめろよ」
隣に座った和希が、落ち着かないあたしに苛立ちを募らせた。
「これ貧乏ゆすりじゃなくて震えてるの」
「は?もっと駄目だろ」
馬鹿にしたような口調に多少イラッときたけど、反論する余裕もないから無視しておいた。
今日の今日まで暴走族と無縁の世界にいた一般人のあたしが、この群衆を見て怯えないわけがない。
お世辞にもカッコイイなんて思う余裕はなかった。