至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
歩きすぎて、列の先頭まで来てしまった。


それでも知った顔には誰一人会えない。



……こんなところで迷子なんてありえないのに。


携帯もないし、持ってたとしてもそもそも誰の番号も知らない。



「どうしようっ…」


怖くて震え始めた手をさすっていると、黒い影があたしを取り囲んだ。


「君一人~?」


「彼氏待ってんの?」


黒い特攻服を着ているから幹部ではないんだろう。


「……ち、違います……」


「じゃあ一人で来たの?」


「………」


なんて答えていいのか分からない。


凌牙の名前を出していいのかも分からない。
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