至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
聞いただけでも恐ろしくて、泣きそうな目で周りに助けを求めたけど、ここは暴走族の巣。


助けてもらえるなんて希望も持てない。


ズルズルと囲まれながら攫われる。








「手を離せ」



声だけで殺してしまうんじゃないかっていうくらいの冷酷な声が落ちた。





罵声でも発狂でもないのに、それは彼らの動きを止めるのには事足りたよう。


あたしだって背筋が凍りつく。



「ひっ、ひえっ……」


恐怖に慄いた男たちの顔からは、みるみる血の気が引いていく。


「リョ、リョ、リョ……!」


「やややべっ!」


「だ、ど、ううっ……」


もはや日本語になっていない彼らの視線の先を追うと。


そこに君臨していたのは、白い特攻服に身を包んだ凌牙だった。
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