至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
「行くぞ」


凌牙はあたしの手を引き、無理矢理立ち上がらせた。



人だかりはサッと脇へ逸れる。


花道が出来た群衆の中を颯爽と歩く凌牙。


目を見張るようなオーラに、誰もが総長の凌牙だと気づく。



「凌牙さんかっけー!」


「こんなに近くで見たの初めてだぜ!」


興奮気味に、でもひそひそとささやく声が耳に届く。



多分、見られてる。


全員が凌牙に繋がれた手の先を…。


それが自分だなんて、おこがましくて顔があげられない。



「おらあっ!!」


どこからか罵声が聞こえて顔をあげると、あたし攫おうとした奴らが捕まり、締め上げられていた。
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