至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
この運転手さんだって、きっと柳迅会の人間。


あたしごときが気安く名前を聞けるような相手じゃないんだ。


何も答えてくれなかった運転手さんに、気まずい思いを抱えながらその後はずっと口を噤んでいた。



……なんだか……息が詰まる。



30分位走ると、楓の制服を着ている子が数人見えてきた。


「ここで下ろしてください」


この道を曲がれば校門が見えてくる、そんな位置で運転手さんに声を掛けた。


「校門前まで送ります」


はじめて運転手さんの声を聞いた。


「ここでいいです」


「でも、そう言われていますので」


「こんな車が校門に横付けされたらみんなに驚かれます。あたしも色々と面倒なことは避けたいですから」
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