至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
「ご……ごめん…そんなつもりじゃ」


「だったらどういうつもりだ」


半端なく機嫌が悪そうな凌牙は、突っ立たまま言葉を落とす。


濡れた毛先から、ポタリと滴が落ちた。


水分を含んで束になる髪の毛が、どことなくいつもの凌牙を幼く見せた。



でもそれだけ…?



………なにかがいつもと違うと感じる。




「オマエ、一人で帰って来たのか?」


睨みを利かされ、おどおどしながら答える。


「……琉聖さんが送ってくれて」


「手間取らせんな」


「……ごめん」


分かってる。


それはあたしも思ってる。


「みんなが帰るときに一緒に帰ってこい」


だけど、舌うちまで混ぜた凌牙に、一気に反抗心が湧いた。
< 354 / 485 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop