至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
なにそれ。


眺めてるだけで分からせようとするなんて、無理があり過ぎる。


相変わらずむちゃくちゃな凌牙に、苛立ちを通り越して呆れる。



………え?


「ちょっと……あ!!」


階段を昇っていく後ろ姿を見て、違和感が何なのか分かった気がした。


あたしは髪を染めたことがないし、金髪の人の髪が濡れたところを見たこともないから、確証はないけど。


「金髪も、濡れると真っ黒に見えるの?」


あたしの知ってる凌牙と今、明らかに違うのはその髪色。


いつもは綺麗になびく金色が、濡れているせいか真っ黒に見え、それでも元の質が良いのか光沢を放っている。



凌牙の足が止まった。
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