至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
肩書だけ先行して、自分の気持ちは置いて行かれていく……そんな順序の違う疑似恋愛に戸惑いは隠せない。


でも凌牙にすれば、気持ちなんてまったく関係ないんだと思う。



だって、"措置"だから……。



本当の恋人として、あたしとどうこうしようってわけじゃないんだから。



それでも。


あたしの好みに配慮しようとする凌牙は、悪い人じゃないのかもしれない。



……だけど。




「……あんなの嘘なのに」



似合わないなんて勢いで口走っただけ。


一目見て、金髪とブラウンの瞳に目を奪われたあたしが確かに居た。




「綺麗、だったのに……」


軽く放った言葉の重みを強く感じて。


そして少しだけ後悔して、凌牙が消えた階段を見上げた。
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