至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
……キスの余韻なんて、あったもんじゃない。


本当にされたのかだって、曖昧なくらいに。



部屋を出ていく寸前、灯りを消すために、壁のスイッチを押す。


今日は曇りで月も出ていないせいか、この部屋は暗闇に包まれた。



「おいっ!」


その瞬間、ものすごい勢いで布団を剥ぐ音と凌牙の声が聞こえた。


振り返ると、暗闇の中で二つの瞳があたしを睨んでいるのが分かる。



「何してんだよ」


「なにって…今出ていくとこ……」


「ちげえよ」
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