至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~Ⅰ
若干ビブラート掛かった大翔の仲裁が入る。


………。



静まり返った車内。


不穏なオーラが漂ってるのは分かる。


凌牙に逆らったらマズイっていうのも雰囲気で察した。


だけどね。




「双葉園の人間だからって見下さないで!」



それが、一番悔しいの。


腹黒い胸の中でバカにしてるんでしょ。



こんな人の為に泣くなんて不本意だけど。


ジワジワと涙があふれてきた目で凌牙を見据える。


「………」


ジッと見つめ返して来たけど、何も反論しては来なかった。


だけどムカつく程その瞳が綺麗で。


演技なのか分からないけど、どこか憂いたように見えた凌牙の顔を、錯覚だと自分に言い聞かせる。
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