吹部!~夢と私~
1少女との出会い
___皆には夢ってある?
私はある。けど、そんなもの…叶うわけないんだ。
夢を諦めてしまった少女、長野桜×夢を追い求める青年、吉野裕樹。
子供の声が聞こえる。
楽しげなその声は、私の心に鈍く突き刺さる。
病室で、そんな世界をぼぅっと見やった。
******************
私が通っている「私立青柳高校」。
そこはごくごく普通の学校で、特に…文化部が強い。
その中でも一番なのは_吹奏楽部。
コンクールなどでも毎年賞を得ている、強豪校だ。
なので、教師や生徒達も吹奏楽部を一目置いているところがある。
そんな中、私はひたすらに廊下を走っていた。
(…やっば、急がないと…!!!!)
私の名前は「長野 桜」。いつも一つ結びで音楽が好き。美術とかもできる方。
私は今年、ここに入学してきた。入学__というか、とある事情で転向してきたんだけど。
ガラっと、部室のドアを開ける。もちろんそこには誰もいない。
私も吹奏楽部で、トロンボーンを吹いているのだが…私は去年まで体が弱く入院していた。
なので人との接し方に戸惑うばかりだった。そんな中で、吹奏楽部の先生が「慣れるまでは一人で練習したら?」と気を遣ってくれた。
一人で…寂しくないといったら嘘になるが…まあ、仕方ないと思う。
その奥の部屋で他の吹奏楽部のメンバーはパートごとにわかれて練習しているらしい。
「…とりあえず、休憩してから吹こうかな」
そう独り言を呟いて、椅子にもたれかかった。
と、廊下を走る音が聞こえてきた。
(…………ん??誰だろー…?)
その方向を見やると、いきなりドアがあいた。
驚くより先に「…あっ!!!!いたーー!!!」と大きな声で言う、男子生徒の姿があった。
その男子生徒は馴染みのある顔だ。
(………あー…確か…隣のクラスの………吉田裕樹君だっけ…?あ、吉田君吹奏楽部だったな…)
吉田裕樹。170はある背丈で、性格はとても良く皆のムードメーカーだ。
その横から顔を出す少女も見たことがある。
小林葉月。この子は栗毛の髪で少し癖っ毛だ。八重歯が覗く顔は可愛らしい。
「…ねえねえ、貴方新しい吹部の子だよね!?」
と小林さんが嬉しそうに問いかけてきた。
吹奏楽部の子達は私の顔は当然知らないし、私がどこの部屋にいるかも知らない。
私がいる部屋は、誰にも見つからないような個室だが、日当たりが良く明るい場所だ。
「…あ、はい…そうです」と問いかけられた質問にそう述べておく。
「私、小林葉月!!!こっちのバカが吉田裕樹!!!」
「…ちょ、おい葉月!!バカってなんだよ!?……と、お前の名前は?後、どのパート所属?」
と笑顔で質問してきた。
私は慌てて、「長野桜………トロンボーンパートですっ…」と言った。
「おー、長野か!!!!宜しくな…って、お前トロンボーンなのか!?俺と一緒!!」
「…え!?!?」私はとても驚いて大きな声を出してしまった。
すると、むすっとした顔で小林さんが「…私の存在忘れてないー??私はフルートだよ♪」
と笑顔で述べてくれた。
「よ、宜しくお願いします……」と不安そうに言うと、小林さんが「…タメでいいよ!!それと、基本的吹奏楽部はみーーーんな下の名前で呼び合ってるから、下の名前で呼んでいいよ!ね、裕樹!」
「おう!!だな!!皆優しい奴らばっかだから、早くこっちの部室こいよ!!桜!!」
と吉田君たちがいってきた。
__いきなり呼び捨てとか…いいのかな…
そんなことを思いつつ__裕樹と葉月の後をおった。
___その時は、その場の出来事に浮かれていた。
___私が、友達を作る資格なんてないのに。
私はある。けど、そんなもの…叶うわけないんだ。
夢を諦めてしまった少女、長野桜×夢を追い求める青年、吉野裕樹。
子供の声が聞こえる。
楽しげなその声は、私の心に鈍く突き刺さる。
病室で、そんな世界をぼぅっと見やった。
******************
私が通っている「私立青柳高校」。
そこはごくごく普通の学校で、特に…文化部が強い。
その中でも一番なのは_吹奏楽部。
コンクールなどでも毎年賞を得ている、強豪校だ。
なので、教師や生徒達も吹奏楽部を一目置いているところがある。
そんな中、私はひたすらに廊下を走っていた。
(…やっば、急がないと…!!!!)
私の名前は「長野 桜」。いつも一つ結びで音楽が好き。美術とかもできる方。
私は今年、ここに入学してきた。入学__というか、とある事情で転向してきたんだけど。
ガラっと、部室のドアを開ける。もちろんそこには誰もいない。
私も吹奏楽部で、トロンボーンを吹いているのだが…私は去年まで体が弱く入院していた。
なので人との接し方に戸惑うばかりだった。そんな中で、吹奏楽部の先生が「慣れるまでは一人で練習したら?」と気を遣ってくれた。
一人で…寂しくないといったら嘘になるが…まあ、仕方ないと思う。
その奥の部屋で他の吹奏楽部のメンバーはパートごとにわかれて練習しているらしい。
「…とりあえず、休憩してから吹こうかな」
そう独り言を呟いて、椅子にもたれかかった。
と、廊下を走る音が聞こえてきた。
(…………ん??誰だろー…?)
その方向を見やると、いきなりドアがあいた。
驚くより先に「…あっ!!!!いたーー!!!」と大きな声で言う、男子生徒の姿があった。
その男子生徒は馴染みのある顔だ。
(………あー…確か…隣のクラスの………吉田裕樹君だっけ…?あ、吉田君吹奏楽部だったな…)
吉田裕樹。170はある背丈で、性格はとても良く皆のムードメーカーだ。
その横から顔を出す少女も見たことがある。
小林葉月。この子は栗毛の髪で少し癖っ毛だ。八重歯が覗く顔は可愛らしい。
「…ねえねえ、貴方新しい吹部の子だよね!?」
と小林さんが嬉しそうに問いかけてきた。
吹奏楽部の子達は私の顔は当然知らないし、私がどこの部屋にいるかも知らない。
私がいる部屋は、誰にも見つからないような個室だが、日当たりが良く明るい場所だ。
「…あ、はい…そうです」と問いかけられた質問にそう述べておく。
「私、小林葉月!!!こっちのバカが吉田裕樹!!!」
「…ちょ、おい葉月!!バカってなんだよ!?……と、お前の名前は?後、どのパート所属?」
と笑顔で質問してきた。
私は慌てて、「長野桜………トロンボーンパートですっ…」と言った。
「おー、長野か!!!!宜しくな…って、お前トロンボーンなのか!?俺と一緒!!」
「…え!?!?」私はとても驚いて大きな声を出してしまった。
すると、むすっとした顔で小林さんが「…私の存在忘れてないー??私はフルートだよ♪」
と笑顔で述べてくれた。
「よ、宜しくお願いします……」と不安そうに言うと、小林さんが「…タメでいいよ!!それと、基本的吹奏楽部はみーーーんな下の名前で呼び合ってるから、下の名前で呼んでいいよ!ね、裕樹!」
「おう!!だな!!皆優しい奴らばっかだから、早くこっちの部室こいよ!!桜!!」
と吉田君たちがいってきた。
__いきなり呼び捨てとか…いいのかな…
そんなことを思いつつ__裕樹と葉月の後をおった。
___その時は、その場の出来事に浮かれていた。
___私が、友達を作る資格なんてないのに。