カノジョノカケラ
学校に着く。
いつもと違う登校風景は、まるで男子校のようだった。
「ふぅ…。」
ロッカーを開ける。だが、そこにチョコはなかった。
「…まあ、こんなもんだろ。」
去年も、こんな感じだった。
もらうチョコは、葉月から手渡しされるチョコ、それだけだ。それ以上もそれ以下も、もらうことはなかった。
けれども今年は、そのたった一つのチョコをくれる葉月もいない。もらえなくて当たり前。もらえたら、そこそこラッキーなのだ。
その証拠に、机の中にもなかった。
「あ、太陽さん。」
トイレにでも行っていたのか、飛鳥が教室の外から戻ってくる。そして僕を見ると、嬉しそうな顔で近づいてきた。
「おう、飛鳥。何か嬉しいことでもあった?」
「あ、顔に出てました?」
「十分出てる。」
「やっぱり出ちゃうんですか…。いえ、その…昨日作ったチョコ、実華ちゃん達に褒めてもらったんです!」
「さすがだな、飛鳥。加賀達にも褒めてもらえたんだったら、そのチョコもらった人は嬉しいと思うよ。」
すると、飛鳥の表情が暗くなった。
「…喜んでもらえるといいですけどね…。」
「ん…?」
「あ、いえ、気にしないでください。」
そんなことを言われたら、余計に気になってしまう。
いつもと違う登校風景は、まるで男子校のようだった。
「ふぅ…。」
ロッカーを開ける。だが、そこにチョコはなかった。
「…まあ、こんなもんだろ。」
去年も、こんな感じだった。
もらうチョコは、葉月から手渡しされるチョコ、それだけだ。それ以上もそれ以下も、もらうことはなかった。
けれども今年は、そのたった一つのチョコをくれる葉月もいない。もらえなくて当たり前。もらえたら、そこそこラッキーなのだ。
その証拠に、机の中にもなかった。
「あ、太陽さん。」
トイレにでも行っていたのか、飛鳥が教室の外から戻ってくる。そして僕を見ると、嬉しそうな顔で近づいてきた。
「おう、飛鳥。何か嬉しいことでもあった?」
「あ、顔に出てました?」
「十分出てる。」
「やっぱり出ちゃうんですか…。いえ、その…昨日作ったチョコ、実華ちゃん達に褒めてもらったんです!」
「さすがだな、飛鳥。加賀達にも褒めてもらえたんだったら、そのチョコもらった人は嬉しいと思うよ。」
すると、飛鳥の表情が暗くなった。
「…喜んでもらえるといいですけどね…。」
「ん…?」
「あ、いえ、気にしないでください。」
そんなことを言われたら、余計に気になってしまう。