カノジョノカケラ
「僕は本気で飛鳥を心配してたんです!丹隼さんとはたまたま会って、それで探すのを手伝ってもらってたんです!

それを何ですか?確かな証拠もないままに僕を犯人に仕立て上げて…一体何がしたいんですか!?

今やっていることはただの誘導尋問ですよ!僕は絶対に虚偽の自白をしませんから!」
「…ほう…。」

二宮さんはまだ余裕の表情だった。

「まだ君にかけられている疑いは晴れていないぞ?」

一瞬だけどういう意味か分からなかったが、僕は意味を悟った。

「僕が…蒼衣ちゃんを殺した、と…?」
「勘はいいみたいだな、安堂。」
「それも違いますよ…!」
「証拠は?」
「その言葉、そっくりそのままお返しします。…あと、蒼衣ちゃんを殺す方法を教えてください。ピンポイントに凍らせる方法を。」

僕は少し皮肉めいた言い方で言ってみた。もうここは戦場だ。どうにかして、勝つ…つまり、ここから出ないと。

「…一筋縄ではいかないらしいな…いいだろう。証拠をそろえるから、それまでに君も、私達を論破する方法を考えておきなさい。」
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