カノジョノカケラ
結局、文芸部員は全員ここに来ることになった。

「あ…私、実は成績が…。」
「心配するなって。加賀よりは頭いいだろ？」
「…いい勝負ですけどね…。」

その時、玄関のチャイムが鳴った。

「お、来た…。」

僕は玄関のドアを開けた。

「おう、皆。」
「全く…いっつも急なんだから、安堂は…。」
「振り回してる、みたいな？」
「でも、たまにはそういうのも悪くないと思わない？」
「…同意…。」

僕の部屋に入る。だが、そこに飛鳥の姿はなかった。

「あれ？」
「どこ行ったんだろ…？」
「ほら、安堂。探してきなさいよ。」
「何で命令口調…。」
「…探して…。」
「はぁ…。」

まぁ、しょうがないか。僕はこういうキャラだし。

チャラく見られるのが嫌で、一人称を「僕」にしたのが、少し空回りしたようだ…。

「飛鳥～？」

呼んでみるが、返事がない。

「飛鳥？」

飛鳥は、意外とすぐに見つかった。飛鳥は…キッチンで、肩を震わせていた。
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