カノジョノカケラ
「6100、6103、6109…。」

6100番台に突入。飛鳥の時と同じくらい、いや、それ以上の心拍数の急上昇を感じる。

「ふぅ…。」

時々深呼吸を入れないとその場にいられなくなっていた。しかし、僕の視線は番号にのみ注がれていた。

「6111、6115、6118…。」

6110番台。

…受かったら、一体何をしよう?

受かった暁に、何かをしたいと思っていた。でも、未だに何をするか決めていない。

こういうので迷ったら、また僕は意味のない二択問題を自分自身に出すんだろうな。

「6124、6125、6127…。」

6120番台。

…受かっていなかったら、どうしよう?

もし、例えばの話だ。そんなガラじゃないけど、万が一のことは考えておいた方がいい。

…離れる覚悟というのも、持っていなくてはならないのかもしれない。

「6135、6138、6139…。」

6130番台。

…そんなことを考えていてどうする。

自分自身で自信を持っていないと、やっていけない。

現に、今僕はかすかな期待に支えられてここに立っているのだから。

「6140、6143、6144…。」

6140番台。

次の数字で、全てが決まる。泣いても笑っても、これで決まる。

僕はゆっくりと、視線を下げた…。
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