ニセモノ斎宮の受難
「たしかに、俺は、俺が王族だからって媚び売ってくるやつは嫌いだ。でも、あんたみたいなやつは……別に嫌いじゃねぇよ。」
「……!!」
「か、勘違いするなよ!?ただ嫌いじゃないってだけで、好きなわけじゃない!」
目元を赤く染め、神の血を引く青年は言った。
「……だけど、あんたのさっきの言葉……嬉しかったよ。だから、その……。」
くるりと白翠に背を向け、小さい、囁くように言った。
「その……なんだ……。
…………あり、がとう。」
「っ!」
頬に熱が集まるのがわかる。
白翠は急いで斎葵に背を向けると一目散に逃げ出した。
✴︎
✴︎
静かだ。
それもそのはず。
この場所には普段は人は来ない。
「……!!」
「か、勘違いするなよ!?ただ嫌いじゃないってだけで、好きなわけじゃない!」
目元を赤く染め、神の血を引く青年は言った。
「……だけど、あんたのさっきの言葉……嬉しかったよ。だから、その……。」
くるりと白翠に背を向け、小さい、囁くように言った。
「その……なんだ……。
…………あり、がとう。」
「っ!」
頬に熱が集まるのがわかる。
白翠は急いで斎葵に背を向けると一目散に逃げ出した。
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静かだ。
それもそのはず。
この場所には普段は人は来ない。