片恋キックオフ
「わからないところあったらお姉ちゃんに聞いてね!」
「うんっ」
そんなお姉ちゃんはすごく頼りがいがある。
いまはすごく不安だけど。
1ヶ月後にある試合では、勝ちたいから。
勝たせてあげたいから。
でもなあ〜。
ルールとか全然わかんないもんな…。
「あ! お姉ちゃん、サッカーのルール知ってる?」
「んー。 まあ、ほどほどに」
「じゃあさ、教えてくれるかなあ?」
「ん、いいよっ!」
よかった〜。
これなら、少しは不安解消になる。
そんなわたしたちの光景を微笑ましく見てたママは口を開いた。
「瑞らしく頑張ればいいわよ」
「うん!」
最初はすごく驚いてて反対されるかと思ったけど。
ママはやっぱり、ちゃんと娘のことを考えてくれてるんだなあって思った。
「瑞は勉強が得意なんだから。
サッカーも勉強だと思えばいいんじゃないかしら」
「と、得意ではないけどね。
んーでもそっか、勉強すればいいのか…」
やるからには、メンバーにちゃんと認めてもらいたい。
だから、それくらい上手になって。
……1ヶ月後の試合は勝ちたい!