片恋キックオフ
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———ピーッ
後半開始。
いまのところ1対0で勝っている。
このまま勝てればいいけど。
そう思いながらまたボーッと試合を見ていると。
急にピーッいうホイッスルが鳴って。
センターサークルらへんに人が集まっている。
「え? …なに?」
「わかんない」
わたしが聞くと、杏里も首を振った。
どうしたんだろう。
なにがあったのかな?
「え? み…湊、くん?」
輪の中で座り込んでいるのはおそらく…湊くん。
ケガしたのかな…?
ジャージを着た男の子が、湊くんに肩を貸して、こっちに向かって歩いてくる。
…湊くんの表情はすごく暗そうだった。
「…み、湊くん…!」
わたしが呼ぶと、湊くんは顔を上げて下手な笑顔を見せた。
湊くんは右足を少し引きずっている。