片恋キックオフ
*瑞姫*
12月、冬休み。
ふぅと息を吐くと、白い息をが出る。
うぅ…寒い。
凍える手を摩りながら、駅の時計台の下で湊くんを待つ。
…今日は本格的な初デート。
いままでは放課後くらいしか遊べなくて。
冬休みのいま、お互いに部活がない今日にデートすることになったんだ。
…胸がすごくドキドキする。
湊くんの私服を見るのは…2回目。
あの、練習試合の日以来。
というか、今日のわたしの格好…変じゃないかなあ?
「瑞姫」
「あ! 湊くんっ」
「ごめん。遅れた」
「ううん、大丈夫!」
湊くんの鼻は真っ赤。
赤い鼻のトナカイみたいで可愛い…。
「ふふ」
「なに笑ってんの?」
「な…なんでもないよ!」
み、見られた…。
それにしても、今日も私服…かっこいい。
ほら、周りにいる女の子たちも湊くんを見ている。
わ、わたし…釣り合ってるかなあ?