片恋キックオフ
あ…!
「サッカー!」
わたしがそう言うと杏里はにこっと笑った。
「そうでしょ。
サッカーに関するモノをあげたらいいんじゃないかな?」
「でも…スパイクとか買うお金ないよ」
「スパイクとかじゃなくて。
…んー。 ほら、キーホルダーとか」
キーホルダー…かあ。
確かに、いいかも!
それなら湊くんも付けやすいし!
「杏里、ありがとう!」
「いーえっ。
ほら、探そう?」
「うん!」
杏里はやっぱり優しくて、大切な親友でもあるし大切な仲間だ。
「それにしても人が多いなあ〜。
瑞姫、迷子にならないようにねー」
「子供じゃないもん、ならないっ」
「あははっ、ごめんごめん」
でも確かに人が多い。
街はクリスマスモード一色に染まってる。
「あーぁ。
あたしも彼氏欲しいなあ」
「杏里は美人だから、すぐにできるよっ」
「リア充に言われても〜。
悲しくなるだけだよ」
「う…。 ごめん」
そんなつもりで言ったんじゃないけどなあ。
本当に杏里は美人さんだもん。
それなのにすごく話しやすいし…。
完璧なのにあ。