片恋キックオフ
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雑貨屋さんにはキーホルダーがなくて、近くにあるスポーツショップにわたしたちは入っていく。
ここになかったら、どうしよう…。
「あ!」
クリスマスだからか、静かな店内にわたしの声が響いた。
うわぁ…恥ずかしい。
だけどついキーホルダーを見つけちゃったから…。
「どうしたの、大声だして」
違うところを探していた杏里が驚いた顔で来た。
「あったよ!」
わたしは白と黒のサッカーボールと青くて本物みたいな小さなスパイクがついたキーホルダーを杏里に見せる。
可愛いキーホルダーを見つけられてよかった!
「へぇ〜、いいじゃんっ。 あ!このピンクのやつ、自分用に買ったら?」
「え?」
「おそろいになるじゃんっ」
杏里はニヤニヤしながら、白とピンクのサッカーボールと黄色が地の可愛らしいスパイクのついたキーホルダーをわたしの目の前にちらつかせた。
おそろい…。
なんかドキドキする。
「うん、そうしようかなあ…。
あ! あと、タオルも買おうかな」
「うんうん、そうしなよ!」
わたしはキーホルダーをふたつ持って、タオル売り場に移動した。