片恋キックオフ
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「ありがとうございました〜」
店員さんの笑顔な挨拶に軽くお辞儀をしてラッピングされたプレゼントを手に持って外に出た。
暖房の効いてる室内から寒い外に出ると、体がなんかゾワッとする。
「スポーツショップのわりには、ラッピング可愛いよね!」
わたしは袋からラッピングされたモノを出した。
クリスマスにピッタリでサンタさんの絵柄の赤い包装紙。
「それを、いまから届けるんだよ!」
「……えぇ?」
予想もしてなかった言葉を聞いて、変な声をあげてしまった。
…これを届けに行くの?
「でも…まだ部活終わってないんじゃ…」
「ほーら、これを見て!」
杏里はスマホをいじって、SNSのTLをわたしに見せた。
そこにはサッカー部の男の子が投稿していて、内容は【クリスマスだからって早く終わった☆】と書いてあった。
クリスマスだから部活早く終わるなんてすごいなあ。
「天気も悪くなって来たし、もう17時だよ。
ほーら、早く行きな?」
「う…うんっ。
付き合ってくれてありがとう、杏里!」
「うん。
また次の部活でねっ」
本当に優しくて頼りになるよ。
わたしは杏里に手を振って、湊くんの家へと足を進める。
空はどんより曇り空。
クリスマスなんだから、晴れて欲しいのにな。