片恋キックオフ





「公園、行く?」




「うん」





わたしたちはすぐそこの公園に入って行った。





街灯が少しあるだけで街みたいにキラキラ輝いていないけれど。
隣に湊くんがいるから…十分だ。





わたしたちはブランコに腰を掛けた。
少し揺らすたびに、年季が入ってるのかキィと音を鳴らす。





「これ…プレゼント」





少し恥ずかしいけど、わたしはバッグからサンタさんのラッピングされたプレゼントをだして、湊くんに渡した。





「開けていい?」




「うん」





……喜んでくれるかなあ?
喜んでくれるといいな。





「これ、すげーいいじゃん。
ありがとな、瑞姫」





湊くんはキーホルダーを手に持ちながら、笑った。
なんか今日はたくさん笑うから、心臓が持たないよ…。





だけどそう思ってくれてよかったな。





「実は色違いなの」





わたしはスマホを出して、キーホルダーを湊くんの前で揺らした。





「ふ、瑞姫らしくていいじゃん」




「ありがとう!
湊くんの好きなモノとか全然わかんなくて。

…でも、わたしと同じでサッカーが好きだなあって思ってこれにしたの」




「嬉しい」





わたしのほうが嬉しいよ。
湊くんはタオルも出して『ありがとな』ってまた笑った。





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