片恋キックオフ
「実は俺もあるんだけど」
「…へ?」
湊くんは部活のバッグからピンクのラッピングされたプレゼントを出した。
「開けて」
「うん…!」
プレゼントを開けてゆっくり包装紙を開くと、中にはピンクのマフラーがはいっていた。
わぁ…、可愛いっ。
それにわたし、マフラー持ってなかったから…すごく嬉しい。
「ありがとうっ」
「喜んでくれてよかった。
…いつも寒そうにしてるから」
「すごく嬉しい!」
「ん、貸して」
湊くんはブランコから降りて、わたしの前に立った。
わたしはよくわからないまま、マフラーを湊くんの手に乗せた。
すると、湊くんの両腕はわたしの首の後ろに回って。
ピンクのマフラーはぐるぐると不器用に首に巻かれた。
でも…すごく温かい。
「ふふ、湊くん不器用すぎだよ」
「こういうの苦手なんだよ」
湊くんは恥ずかしそうに顔を背けた。
…これは湊くんの不器用な愛情表現なんだって、自惚れだけど思ってもいいのかな?
「瑞姫…」
甘く優しい名前を呼ばれて顔を上げると、目の前に湊くんの顔があって。
湊くんはわたしの唇に触れるだけのキスをした。