片恋キックオフ
*瑞姫*
「はぁ……」
わたしは頬杖をつきながら、窓の外の青い空を眺める。
パレットにのせた白色の絵の具で青い紙に描いたような、キレイな雲。
わたしは前は美術部だった。
だから、なんでもこうやってたとえちゃう。
「……はぁ…」
…ってそんなことじゃなくて。
なんだか今日はため息がやまない。
もう…なんだか暗い気分。
———入部してから2週間。
練習しても、この頃…なに進歩してない。
なにも変わってない気がするんだ。
「瑞姫、大丈夫?」
「……ん、大丈夫」
杏里は心配してくれてるけど。
これはわたしの問題…。
なんで全然上手くなれないんだろう?
あと…3週間しかないのに。
なかなか、上手くなれないんだもん。