片恋キックオフ
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練習試合を1週間と1日後に控えた金曜日の今日。
いつものように、わたしは城川くんと裏庭にいる。
「城川くん、行くよー!」
いつものパス練習から…。
わたしはボールを地面に置いて、右足で思い切り城川くんに向けて蹴る。
前とは比にならないくらい、インサイドキックは…たぶん、上手くなったと思う。
「……上手くなったな」
遠くてボソボソッとしか聞き取れなかったけど。
城川くんは少し微笑んで褒めてくれた。
やっぱり城川くんの笑顔はわたしを元気にさせる魔法みたい。
胸がドキドキ高鳴って、もっともっと頑張ろう!って思えるんだ。
「ほら、ボーッとすんな。 行くぞ」
「あ、…うん!」
たとえ上手くなっても。
やっぱり、上手な人と比べちゃ全然下手だな……。
キレイに回転して転がって、城川くんの蹴ったボールはわたしの足にぶつかって止まった。
「じゃあ次はアウトサイドキック」
「うん!」
まだアウトサイドは苦手だけど。
プレー中、相手の意表を突くにはできたほうがいいって言ってたもんね…!