片恋キックオフ
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真っ青な空に輝く眩しい太陽が窓から見える。
今日は土曜日。……練習試合の日。
わたしは10番の青いユニフォームの上からジャージを身にまとった。
「行ってきまーす!」
エナメルを持って、わたしはリビングにいるママとお姉ちゃんに言う。
「頑張りなさいよ」
「行ってらっしゃい! 瑞!」
ふたりに『うん!』と笑顔を見せて、リビングを出る。
いまから緊張してるよ…。
わたし、大丈夫かなあ……。
玄関のドアを開けて外に出ると、太陽は眩しいのに。
さすが10月って言うか、涼しい風がジャージの中を通り抜ける。
「みーずーきー!」
わたしの家の最寄り駅で学校の最寄り駅でもある駅の時計台の前に着くと、前から手を振って駆けて来る杏里の姿が見えた。
「おはよ、杏里」
「おはよーっ」
杏里は相変わらずにこにこ笑ってて、少し緊張がほぐれる…。
杏里は緊張してないのかな?
「杏里、緊張してる?」
「もー当たり前じゃんっ」
「え⁈ それのどこが?
むしろ、楽しみにしてるように見える…」
わたしがそう言うと、杏里はえへへっと笑った。
「あたしさー、緊張とかも全部楽しんじゃうんだよね!
それに、今日は瑞姫と同じコートに立てることが嬉しいの!」
「すごいね、杏里は…。
よし!わたしも、楽しむ!」
「うんうんっ。
わ!電車来ちゃうよ! 行こうっ」
「うん!」
わたしたちは駆け足で駅構内に行く。
わたしたちのライバル高校は、ふたつ隣の駅が最寄りの高校。
その駅に、わたしたちは集合となっている。
うわあ…もう、すごく緊張してる。
だけど、杏里みたいに楽しみたい。
わたしが女ッカーに入った理由がこの練習試合なんだから。
公式試合に出るみたいに、一生懸命頑張りたい…!