片恋キックオフ
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駅にはもう2年生はみんな集まって来ていた。
「おはよー、瑞姫!杏里!」
みんなからの挨拶にわたしは笑顔で返して行く。
…なんか、仲間っていいなあ。
中学のときから美術部だったし。
仲間とか団結とかそんなモノはなかった。
だから、いまなんか不思議な気持ち。
信頼できる仲間がいるって嬉しい。
「瑞姫!
あたしとトップ、頑張ろうね!
なにかあったら、あたしが助けるから」
「うん!
ありがとう、蘭!」
蘭はにこっと笑った。
だから、こんな仲間と戦えるのは今日で終わりなんだと言うことが悲しくて。
…続けるか続けないか迷う。
でも、決めた。
今日の試合で勝てたら…わたしは続ける。
だけど勝てなかったら、わたしは役に立たなかったってことだから、辞める。
そうしよう………。
「え、あれ城川くんじゃん」
近くにいた唯の声が耳に届いた。
え?城川くん…?