片恋キックオフ
でも信じられなくて。
どうして入ったんだろうって。
「瑞姫ー!」
「ナイッシュー!」
次々にみんなが笑顔と大きな声とともに集まってきて、わたしの頭を撫でてきた。
嬉しくて泣きたい気持ちだけど。
まだ、わからない。
あと…5分。
その5分間、わたしたちは守らなきゃいけないんだから。
だからわたしは、みんなに笑顔を見せた。
「ありがとう!
あ、蘭っ。アシストありがとう」
「でも、入れたのは瑞姫だし!
あたしはなんも……「そんなことない!」
蘭の言葉をわたしは強く否定した。
だって、わたしが入れたボールは…。
「みんなで決めたんだよ。
みんなが繋いでくれたから、入れられたんだよ」
わたしがそう言うと蘭はあははっと笑った。
「やっぱ瑞姫って最高だね。
うん、みんなで決めたものね。
最後まで頑張ろう!」
笑って出て来た涙を拭いながら、蘭は力強く言った。
サッカーって楽しい。
仲間とこんなにも一体となれるなんて、すごいスポーツだよ。